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在日外国人の夫が残した日本国内の不動産の相続はどうしたらできる?

こんにちは、「相続コンサルタントしゅくわ事務所」代表の宿輪です。

 

弊所は、開業以来相続専門の事務所としてたくさんの相談者の方からお話を聞いてきました。相続は、すべての人が当事者となる法律行為ですが、その内容を知る人は少ないのが現実です。知らないがゆえに、相続時にトラブルとなり、最悪の場合は親族間に遺恨を残す「争族」となってしまいます。

 

少しの知識があれば、トラブル発生となる前に対策が可能となります。「相続ワンポイント」では、皆さんに知っていただきたい相続の知識をランダムに解説しています。100を超えるタイトルがありますので、ぜひお役に立ててください。

 

弊所では、民事信託(家族信託)も積極的に取り扱っています。遺言などこれまでの民法では解決できなかった問題がクリアにできます。に小冊子ダウンロード版を用意していますのでご利用ください。

 

弊所の活動内容を、スライドを使って説明してみました。のユーチューブ動画も見ていただけると嬉しいです。

 

では、ワンポイントをどうぞ!

外国籍の被相続人が残した国内不動産

 

外国籍の方が亡くなった場合、日本の法律を当てはめていいのでしょうか。

 

日本の国際私法では相続の準拠法を、被相続人の本国法としています。

 

まずは、被相続人の本国法を確認する必要があります。

相続の準拠法

・アメリカの場合

アメリカは州により法律が異なる不統一国です。

 

本国法の確定は、

①その国の規則に従い指定される法 

②そのような規則がないときには当事者に最も密接な関係のある地方の法によります。

 

アメリカの場合は、出生地,常居所地,過去の居所地,親族の居住地などを考慮して「最も密接な関係のある地方」の法を準拠法とします。

アメリカの州の法が準拠法とされた場合は、「不動産についてはその所在地法」とされている可能性が高いです。その場合は、日本にある不動産の相続については日本法が適用されます。

 

・韓国の場合

韓国の国際私法では、相続の準拠法は被相続人の本国法ですので、大韓民国法が適用されます。

 

なお、韓国では2008年に戸籍法が廃止されており、戸籍謄本に相当するものとしては「家族関係登録簿の証明書」があります。(従前の戸籍簿は、除籍簿となっています)

 

しかし、在日韓国人の中には、出生,婚姻,離婚等の届出を日本の役場で行うだけで、本国の韓国に申告していなかったケースが多くありますので、注意が必要です。

 

準拠法及び身分関係の証明

日本にある不動産につき相続登記をする場合には、登記権利者である相続人が登記原因証明情報を提供しなければなりません。

 

被相続人の本国がどこか、被相続人と相続人の身分関係を証する書面としては戸籍制度がある国であれば「戸籍謄本」で確認できます。

しかし、戸籍制度がある国は少数です。アメリカにも戸籍制度はありません。

 

したがって、それらの国では戸籍謄本以外の書類で証明しなくてはなりません。

在留カードや住民票で証明することになります。

 

被相続人の死亡の事実は、本国の公的機関や在日領事館が死亡証明書を発行してくれます。しかし、これらの証明書は、日本の戸籍のような完全な証明と認められないので、加えて「宣誓供述書」を活用することが一般的です。

 

宣誓供述書は、当事者が公証人の面前で、私署証書の記載が真実であることを先制したうえ証書に署名もしくは押印し、または証書の署名もしくは押印を自認して、公証人から認証を受けるものです。

 

日本国籍の場合と比べ、手続きが煩雑ですので早めに専門の行政書士に相談したほうがいいでしょう。

 

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