こんにちは、「相続コンサルタントしゅくわ事務所」代表の宿輪です。
弊所は、開業以来相続専門の事務所としてたくさんの相談者の方からお話を聞いてきました。相続は、すべての人が当事者となる法律行為ですが、その内容を知る人は少ないのが現実です。知らないがゆえに、相続時にトラブルとなり、最悪の場合は親族間に遺恨を残す「争族」となってしまいます。
少しの知識があれば、トラブル発生となる前に対策が可能となります。「相続ワンポイント」では、皆さんに知っていただきたい相続の知識をランダムに解説しています。100を超えるタイトルがありますので、ぜひお役に立ててください。
弊所では、民事信託(家族信託)も積極的に取り扱っています。遺言などこれまでの民法では解決できなかった問題がクリアにできます。☞に小冊子ダウンロード版を用意していますのでご利用ください。
弊所の活動内容を、スライドを使って説明してみました。☞のユーチューブ動画も見ていただけると嬉しいです。
では、ワンポイントをどうぞ!
寄与分と遺留分の対立
被相続人と同居して面倒を看ていた相続人の寄与分が大きい場合、寄与分を計算すると、相続財産が遺留分も残らないような可能性があります。
どのように解決すべきでしょうか?
寄与分
遺産分割をする際に、遺産の維持増加に特別の寄与をした相続人に、その寄与分をプラスして相続人間の公平を図る制度。
遺留分
被相続人が、遺贈や生前贈与などで財産を処分した場合でも、兄弟姉妹を除く相続人の最低補償として返還請求(遺留分減殺請求)できる制度。
寄与分と遺留分どちらが優先する?
民法904条の2:寄与分は被相続人が相続開始の時において有した財産の価格から遺贈
の価格を控除した残額を超えることができない。
(遺贈は寄与分に優先する)
民法1031条:遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度で
遺贈および前条に規定する贈与の減殺を請求することができる。
(寄与分は遺留分減殺請求の対象にならない=遺留分に優先する)
法律の規定によれば、寄与分が優先することになりますが、遺留分の権利が認められないのも公平を欠くことになります。
過去の判例では、
「寄与分は遺留分によって当然に制限されるものではないが、裁判所が寄与分を決めるに当たっては、他の相続人の遺留分についても考慮すべきである」(1991年東京高裁)
というものがあります。
元々、寄与分の額は相続人間の協議により決定するものですので、遺産分割協議で話し合い合意するしかないようです。
上記判例の考え方を念頭に置いて、協議を進めるのが良いでしょう。
誰に相談すればいいのかわからない」にお応えします。
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