こんにちは、「相続コンサルタントしゅくわ事務所」代表の宿輪です。
弊所は、開業以来相続専門の事務所としてたくさんの相談者の方からお話を聞いてきました。相続は、すべての人が当事者となる法律行為ですが、その内容を知る人は少ないのが現実です。知らないがゆえに、相続時にトラブルとなり、最悪の場合は親族間に遺恨を残す「争族」となってしまいます。
少しの知識があれば、トラブル発生となる前に対策が可能となります。「相続ワンポイント」では、皆さんに知っていただきたい相続の知識をランダムに解説しています。100を超えるタイトルがありますので、ぜひお役に立ててください。
弊所では、民事信託(家族信託)も積極的に取り扱っています。遺言などこれまでの民法では解決できなかった問題がクリアにできます。☞に小冊子ダウンロード版を用意していますのでご利用ください。
弊所の活動内容を、スライドを使って説明してみました。☞のユーチューブ動画も見ていただけると嬉しいです。
では、ワンポイントをどうぞ!
金融庁が提言「年金を当てにせず、投資で増やせ」
金融庁が2019年5月22日に発表した「高齢社会における資産形成・管理」(案)という報告書が大きな話題になっています。
「若いうちから、ちゃんと勉強して投資などの自助努力をしないと、年金では暮らしていけないよ。」という内容です。
国民が仕事をリタイヤしたときの糧である年金ではたりず、個人でリスクを取って運用しなさいと生活が成り立たないことを行政が認めてしまいました。
【報告の趣旨】
この報告書は、「市場ワーキング・グループにおける、高齢社会における金融の目指すべき姿とは何かをテーマに、金融サービス提供者や専門家の意見を伺いながら議論を重ねた検討結果」であると説明されています。民間の金融サービスなどの意見であるようですが、金融庁が提言として公表したことは大きな意味があると思います。
直接、金融庁の意見としては言えないことを民間の意見として発表したのではないでしょうか。
【衝撃の内容】
報告書は全51ページにも及ぶものですが、要約すると
・年金だけでは、月5万円の赤字になる
・65歳以降も働きましょう
・若いうちから節約して無駄遣いしないようにね
・自己責任で資産運用しましょう
・資産運用はいろんな方法があるから、自分で考えましょう
結構な責任放棄的な内容に見えます。
「年金をしっかり納めていれば、老後何とかなるからしっかり払ってね」というのが国の政策ではなかったのでしょうか。
【現実を直視しよう】
しかし、これが現実なのです。年金では老後は成り立たないのです。
例えば、国民年金は満額でも月7万円弱ですが、今の若い人が受け取るころには月4.5万円程度になると予想されています。アパートの家賃にも足りません。
そして、報告書に例示されているような、大学卒業後大きな企業を務めあげ、それなりの退職金を受け取った人でも、長生きすると資産が底をつくのです。
【どうすればいいの?】
この報告書にあるようなことは、以前から言われてはいました。
だから、資産運用が必要ですよということを、金融機関やFPは相談者にアドバイスしていました。今回は、このことを金融庁が認めた形です。
個人的には、リスクを取りたくない方も多いので、きちんと納めていれば老後は安心というような制度が欲しいところですが、
報告書ではリスクをコントロールして資産運用をしなさい。リスクを分散する方法は色々あるよ。
ところで、リスク=損をすると思う方も多いようですが、リスク=バラツキの事です。リスクが大きいということは、大きく損をするかもしれないし大きく儲かるかもしれないという意味です。リスクが小さいというのは、損も得も小さいということです。
どれだけのリスクを受入れできるのかは、その人の心情や資産の内容などで変わりますので、ベストな資産運用方法は、1人1人違います。一般の方には、複雑な運用商品の中から自分に合うものを選択することは難しいと思いますので、相談相手を見つけることが重要です。
相談は、有料のものと無料のものがあります。
無料の方がいいと思う方もいますが、無料というのは相談が無料であり、金融商品の販売により手数料を得るということです。(そうでなければ相談に応える人が生活できません。)
無料の場合は、自分の収入に繋がる商品を進めることになります。
有料の場合は、相談者に対するアドバイスそのものが商品です。特定の会社の商品にこだわらず、相談者にベストな運用方法を進めることができます。独立系FPがこれに当たります。
お薦めとしては、有料相談でアドバイスを受け、その上で自分か納得できるまでその商品情報を確認し購入うのが良いのではないでしょうか。最後は、自分で決めなくてはいけません。リスクの大小にかかわらず、損をする可能性はあるのです。そして、老後資金は長期に渡るので、短期間の動きに一喜一憂せず続ける必要があります。