こんにちは、「相続コンサルタントしゅくわ事務所」代表の宿輪です。
弊所は、開業以来相続専門の事務所としてたくさんの相談者の方からお話を聞いてきました。相続は、すべての人が当事者となる法律行為ですが、その内容を知る人は少ないのが現実です。知らないがゆえに、相続時にトラブルとなり、最悪の場合は親族間に遺恨を残す「争族」となってしまいます。
少しの知識があれば、トラブル発生となる前に対策が可能となります。「相続ワンポイント」では、皆さんに知っていただきたい相続の知識をランダムに解説しています。100を超えるタイトルがありますので、ぜひお役に立ててください。
弊所では、民事信託(家族信託)も積極的に取り扱っています。遺言などこれまでの民法では解決できなかった問題がクリアにできます。☞に小冊子ダウンロード版を用意していますのでご利用ください。
弊所の活動内容を、スライドを使って説明してみました。☞のユーチューブ動画も見ていただけると嬉しいです。
では、ワンポイントをどうぞ!
内縁の妻だけに遺産を渡す(子供がいない場合)
高齢になってから夫婦生活を開始した場合など、様々な事情により婚姻届けをしない内縁関係としている方がいます。
その場合、現民法では内縁の配偶者は法定相続人ではありませんので、遺産を相続させることはできません。
遺言を作成し、「遺贈」することは可能ですが、他の法定相続人とのトラブル発生の種となってしまうこともあります。
【遺言で遺贈する】
子どもがおらず親も亡くなっている場合、法定相続人は兄弟になります。
兄弟には、遺留分がありませんので、遺言で「全財産を内縁妻に遺贈する」とすることで、全財産を渡すことが可能です。しかしこれは、法定相続人である兄弟に一切の財産を渡さず、法定相続人でない内縁妻に全財産を渡すことになります。
民法上は全く問題ありませんが、感情的なしこりは残ってしまうでしょう。
【養子縁組する】
内縁妻を妻として入籍すると、妻と兄弟が法定相続人になります。
内縁妻と養子縁組するとどうなるでしょうか。
養子は実子と同じ扱いとなります。
つまり、相続発生した場合には、養子である内縁妻が単独で法定相続人となります。
遺言をしなくても、全財産が養子である内縁妻に相続されることになるのです。
これでも、感情的なしこりは発生するかもしれませんが、他に法定相続人がいる場合よりは手続き等も簡単になり、内縁妻の負担は小さくできます。
数年前には、国民的大スターの俳優さんがこの方法を取り話題になりました。